ラステリ手術当日(多発性心室中隔欠損を伴った肺動脈閉鎖症)

この記事は約1分で読めます。

待ちに待ったラステリ手術の当日。
これでSpO2が100になる!
いっぱいハイハイしても、ゼエゼエしなくなる!

と思う反面、万が一のことがあったら、どうしよう?
手術しなければ良かった、って後悔しなければならないような、そんな事態が起こりませんように(。>﹏<。) 病院へ向かう車内、気持ちは揺れに揺れていました。

手術室へ

朝8時ころ病院着。
病室に向かうと、バギーに乗って、ニコニコ笑って登場する息子。

前回入院時はベビーカーだったのに、いっちょ前にバギーかぁ(*´∀`)
初めて見るバギー姿が可愛くて新鮮♡

看護師さん「夜中はお利口に寝ていたんだけど、朝から元気で!」
日の出が早いから、6時前に起きちゃうんだよなぁ〜

しばらく抱っこできないので、パパと交代で抱っこ。
ニコニコ、よじ登る息子。

こんな日常的な姿もしばらく見れないと思うと、涙が出てくる・・・のをぐっとこらえて、精一杯明るい声で話しかける。

でも頭にちらつく「死亡率2〜3%」
もしこれが最後の姿になったとしても、この子が最後まで愛されていたって思えるようにしよう!

8時40分には看護師さんが来て、ささっと座薬を入れ、また抱っこしていると、すぐにうとうと。

9時前には、ぼーっとこちらを見る息子を移動用のベッドにおろし、先生と一緒に4階の手術室へ。

動物いっぱいのカラフルな扉が、あ〜またここに来たな〜って感じ。

こども病院の西館4階は、手術室がずら〜と並んでいて、KENさんが入るのは、その中でも一番大きい手術室。看護師さんと名前の確認をし、執刀医の先生、麻酔科の先生、看護師さんに「お願いします」を言って、3階へ。

長い手術

息子を見送った後、循環器病棟へ戻り、荷物をまとめ、ティッシュ箱とお尻拭きをベッドに置いて、3階の待合室へ。

CCU(循環器集中治療室)の看護師さんに、仮泊室の手続きの説明を受け、「CCU見学しますか」と声をかけてもらったのですが、CCUは3回目なので断る。

通常なら、手術前には、院長の坂本先生が挨拶に来てくれるのですが、「手術が立て込んでいるので、後で」となり。
予定心臓外科手術って1日1件と思っていたのですが、この日はすでに別の子が先に手術に入っていたのかな?

とりあえず、4階の手術待合室へ。

4階手術待合室

とにかく、この待ち時間が長い(;´Д`)

本を読む気にもならないし。
ずっとついているテレビの音は耳障りだし。
他の人もいるから、寝られないし、呑気におしゃべりできないし。
「検査前の子がいることもあるから、飲食をするときには、手術室受付に声を掛けて」の旨が書かれており、お菓子も食べられない。

とりあえず、溜まっていた写真を日付順に並べ、アルバムに入れる作業。小1時間で終了。

こども病院の会報が置いてあったので読み。
看護師さんの夜勤長いと思っていたら、2交代なのね〜と納得。

受付へ行くと、このあと飲食禁止の子はいないので、昼食をとってもいいですよ、とのことだったので、母が持たせてくれたおにぎりを、もそもそと食べ。

トイレしか立つ用事がないので、30分おきにトイレへ。

漫画なんて読む気になれないな〜オレンジページ置いといてよ!とぶつくさ言いながら読む「銀の匙」。(夜、パパがオレンジページ買ってきてくれたのですが、その頃にはオレペ読む気力すらない。)

坂本先生とのお話

手術の目処が立った頃に、院長の坂本喜三郎先生と個室でお話するのですが、前回シャントの手術のとき2時半頃だったので、今回は3時くらいかな〜と思っていたのですが、なかなか呼ばれず。

待合室のメンバーも何度か入れ替わり、少なくなってきた3時半頃、ようやく呼ばれました。

内容としては、「予定になかった手術を追加したので、手術時間が延びたこと」「心臓を止めている時間が長かったためか、房室ブロックとなり、ペースメーカーが必要であること」について、話がありました。

「予定していた手術」というのは

  • 9ヶ月前に入れたシャントを閉じる
  • 肺動脈形成
  • 12ミリの心室中隔欠損を閉じる

というものだったのですが、心室中隔欠損を閉じて、血液を流してみたら、他にもいくつか穴(目に見えるものもあるが、目で確認できないものもある)があり、血液が漏れ出ていたとのこと。←「多発性心室中隔欠損」というらしいです。

そのために、急遽「大動脈を切開」し、そこから器具を入れ、フェルトのようなものを使って、心室中隔を右室左室の両方から挟むようにして閉じる「サンドイッチ法」という方法で閉じたとのことでした。

この追加手術により、心臓を止めている時間が「1時間弱延びて」、結果「120分(←安全に心臓を止めることのできる時間の上限)」止めることになった

そして
「心房は拍動しているけど、心室に信号が伝わらす、バラバラの動きになっている」つまり「不整脈が出ている」「ペースメーカーが必要な状態」になっているとのこと。

手術前の検査は完全ではないこと。手術で予定外のことが起こる可能性があることは、理解していたつもりでしたが・・・

もう、どんな顔していればいいかわからない。

とりあえず、私は恒例の30分おきのトイレへ。

その間に、心配して来てくれていた両家の祖父母に、パパが話をしてくれました。

この時、少しでもいい方向に考えようと、私たちの希望的観測的理解では

  • 手術は無事終わった
  • 生きている
  • なんとかなるかもしれないけど、最悪でもペースメーカー埋込み
  • ペースメーカーが入っていても、生きていける

オリンピックに出るほどのスポーツ選手になるのは無理かもしれないけど、好きなスポーツに打ち込んだり、学校でお友達と遊んだり。ある程度制限はあるかもしれないけど、楽しんで生きることができれば・・・

その間も、手術室では、胸を閉じる作業が続き、控室で待つ間、パパは仮泊室の鍵をもらいに1階の防災センターへ。

私は、「多発性心室中隔欠損」について、検索魔になっていたのですが、「犬の多発性心室中隔欠損」とか「猫の多発性心室中隔欠損」とか・・・。人間の話はあまり出てこない。珍しいのか、よくあることだから改めて書く人が少ないのか・・・

1時間ほどすると、控室の電話が鳴り、「CCUへ来てください」とのことだったので、エレベーターでCCUへ。

CCUで面会

CCUは2人までしか入れないので、パパと一緒に面会。

いくつかのモニター、人工呼吸器、たくさんの点滴、大きな傷跡、むき出しの胸に4本のドレーン。

それぞれの機械がなるピッピ、プップという音。アラーム音。

2回目なので、前回ほどの衝撃はなく、点滴の管も、首や両手両足に10本以上ついているけど、まぁこんなもんか〜って感じ。

違ったのは、前回はついていなかったペースメーカー
ピッピ、ピッピと、音を刻み。
「2週間から1ヶ月、様子を見させてください。1ヶ月ぐらいを目処に、埋め込むかどうか判断します。」と医師。

今は不整脈が出にくくするために、体温を35度台まで下げているとのことで、エアコンの風がちょくに当たり、寒い(✽ ゚д゚ ✽)

モニターの一つには、SpO2の数値が「100」とはっきり表示されている。
生まれて初めて、血中酸素濃度が100をキープできるようになったのだ。普通に終わっていれば、嬉しかったかもしれない。
でも・・・・これは、ペースメーカー埋め込みになってまで手に入れたかった数値なのだろうか?
ペースメーカー埋め込みでも、生きていける。今のペースメーカーは性能がいいから、運動もできる。価値のある数字だ。
わかっているのに・・・。

CCUは一週間と思っていたけど、長くなりそうだな・・・

両家のじぃじ、ばぁばが面会している間、車に荷物を取りに行き、仮泊室へ。

その後、8時まで面会。
この先、どうなるのかな〜と思いつつ、ほっぺむにむに。人工呼吸器でまた鼻がつぶれちゃうな〜。

それでも少しの希望は、すでに自発呼吸が始まっているということ。看護師さんが、人工呼吸器のモニターの見方を教えてくれ、そこに緑の字で表示される呼吸数の変化から、息子が手術を乗り越えて生きようと頑張っているのが、ひしひしと伝わってきました。

頑張ったね、ありがとう♡

タイトルとURLをコピーしました