睡眠のスイッチ発見。発達障害の治療につながるか?

筑波大国際統合睡眠医科学研究機構の林悠助教授や理化学研究所の糸原重美チームリーダーらが、「レム睡眠とノンレム睡眠を切り替えるスイッチ」をマウスの脳から発見しました。

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これまで、自閉症やADHDなどの発達障害の原因の一つとして「睡眠の質」が考えられてきたのですが、治療がすすまず、家族の努力に頼ってきた部分がありました。

そのため、今回「レム睡眠とノンレム睡眠を切り替えるスイッチ」の発見が、発達障害の子の治療につながるのではないかと注目されています。

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発達障害とは?

発達障害の子は、生まれつき脳の機能の発達の仕方が、通常の子とは違っているために、コミュニケーションや対人関係を作るのに困難を感じている子たちです。成長していくにあたって、障害が目立たなくなる子もいれば、大人になっても障害を抱えている人もいます。

小中学生の6.5%は、何らかの発達障害を持っているといわれています。クラスにだいたい一人はいる計算になりますね。

自閉症スペクトラム

他人の考えていることの推測ができず、人とのかかわりがうまくできない。いつもと違うことが起きるとパニックになる。興味関心の幅が狭く、深い、といった症状がでます。

これらの症状は、親の育て方云々ではなく、「脳機能の障害」によってでると考えられています。

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「自閉症」の中でも知能は高い・または人並みだけど対人関係の形成に質的な障害を持っている子は、「高機能自閉症」や「アスペルガー症候群」と呼ばれています。

アスペルガー症候群だったと思われる有名人には、アインシュタインやエジソン、ビル・ゲイツなど社会的に大きな成功をおさめた方も多くいます。織田信長や坂本竜馬もアスペルガーだったといわれています。「こだわりが強い」というのが、自閉症によくみられる症状ですが、周りの人の理解があり、適切な方向に個性を伸ばすことができれば、普通の人以上に才能を開花させることができる可能性をおおいに持っているのですね。

乳幼児期や胎児期からの脳機能の障害に起因すると考えられているのですが、症状が出て診断されるのは3歳ごろからです。

ADHD(注意欠陥多動性症候群)

不注意で忘れ物が多かったり、場の空気に合わせられなかったり、学習に集中できなかったりします。じっとしているのが苦手で、そわそわしたり、授業中に歩きまわったりします。

昔は「親のしつけが悪い」など言われてきたのですが、現在はこれも脳機能の障害によるものと考えられています。

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ADHDの場合には、ストラテラやコンサータといった薬を使って、ドーパミンを増やすことで、症状が抑えられるといわれ、治療に使われています。

学校に行くようになる7歳ごろから症状に気づき、診断されますが、詳しい方が見ると乳幼児期から行動面の異常が分かるそうです。

有名人の中では、黒柳哲子さんがADHDであったことを公表されてますね。

レム睡眠とノンレム睡眠

通常、人は睡眠中、1時間半ごとにレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返しています。

レム睡眠

レム睡眠は浅い眠りです。レム睡眠の「REM」は「Rapid eye movement sleep」の略で、眼球が速く動くことからこう呼ばれています。

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夢を見るのはレム睡眠の間で、頭の中では記憶の整理をしています。

レム睡眠の間は体の筋肉がゆるみ、体にたまった疲れをとっています。

ノンレム睡眠

深い眠りで、ノンレム睡眠の中でも最も眠り深いときに成長ホルモンが出ています。

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ノンレム睡眠のときには「デルタ派」と呼ばれる脳波が出ていて、レム睡眠で整理した記憶をしまったり、脳機能の回復をしたりしています。

睡眠と発達障害

生まれたばかりの赤ちゃんは、短時間で睡眠と覚醒を繰り返していますが、徐々に睡眠リズムが確立してきます。
発達障害の子は、睡眠リズムの確立が遅れがちで、睡眠リズムも崩れがちです。

睡眠リズムを整えることが、発達障害の改善につながると考えられており、発達障害のお子さんを持つ親御さんは、子どもを早く寝かせるなどの対策をとってきたのですが、簡単ではありません。そればかりか、「早く寝かせないのは親が悪い」など心ないことを言われて傷ついてきた方も多くいらっしゃいます。

睡眠薬を使えば寝るには寝るのですが、睡眠の質が悪くなってしまいます。

質のいい睡眠を十分に取ることがとても大事であり、発達障害の子にとってはそれが困難なのです。

「レム睡眠とノンレム睡眠を切り替えるスイッチ」の発見

筑波大国際統合睡眠医科学研究機構の林悠助教授や理化学研究所の糸原重美チームリーダーらによってマウスの脳から発見された「レム睡眠とノンレム睡眠を切り替えるスイッチ」ですが、このスイッチを操作して、「レム睡眠」を短くしたところ、「ノンレム睡眠」のときに出る「デルタ派」が弱くなったのだそうです。

それにより、記憶の形成や脳機能の回復といった働きも低下してしまいました。

このスイッチは、脳幹の中、「睡眠と覚醒のスイッチ」の近くにあります。

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発達障害の子は、この「レム睡眠とノンレム睡眠を切り替えるスイッチ」がうまく動いていないのではないか、この「レム睡眠とノンレム睡眠を切り替えるスイッチ」を薬などで操作することができれば、睡眠の質が改善され、発達障害の症状が緩和していくのではないか、と期待されています。

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