息子が先天性心疾患(肺動脈閉鎖兼心室中隔欠損)で生まれてきて、他にもいくつか先天性疾患を持っていて、親として、自分の生活や行いに悪いところがあったのではないか、と思わないわけもなく。
いつ、どうしてこうなったのか?というのは気になるのですが、素人にわかるような資料ってあまり無いんですよね。
ということで、心臓の発生と先天性心疾患について調べてみました(^^)
妊娠2ヶ月までがカギ
ポイントは
- 心臓はぐるぐる回りながら作られる
- 妊娠2ヶ月で形が決まる
ってことです。
赤ちゃんの内臓は、始めから決まった位置に作られるのではなく、作られながら決まった位置におさまっていきます。
そして、心臓もぐる〜っと回りながら作られます。
妊娠3週
排卵日(受精日)が2w0dとすると、その約1週間後にはすでに心臓が作られ始めているんですね〜!
受精卵はまだ卵管の中をコロコロしながら子宮へ向かっている頃です。
この頃には、心臓になる細胞が集まってきて、心室になる部分、心房になる部分が決まり、膨らみ始めます。
3w2dくらい
左にねじれていきます。
「心臓ループの形成」といいます。
※この時、ループが逆になってしまったり、うまく行かなかったりすると
- 内蔵錯位、無脾症候群
- 単心房
- 単心室
などが起こるようです。
受精卵は子宮にたどり着いた頃でしょうか?まだ、どこに着床しようかな?と迷っている頃かもしれませんね。
さらにねじれて、心房が寝室の後ろ側に入っていきます。
そろそろ、着床しましたかね?
妊娠4週
早い人だと、子宮内に胎嚢が確認できる頃ですね!
赤ちゃんの大きさは、まだ1ミリに満たないので、エコーでは確認すらできません。
そんな小さな赤ちゃんの中で、これまた小さな心臓ですが、なんとこの頃には、右心室、左心室、右心房、左心房の位置が、生まれる時とほぼ同じ位置になっています。
「心臓ループ」の完成です。
この時はまだ、肺動脈と大動脈は分かれていなくて、「総動脈幹」と呼ばれていますが、とても発達していますね!
ちなみに血液は、心房(紫)→心室(ピンク)→総動脈幹(オレンジ)の方向に流れていますよ!
ある資料では
- 肺動脈閉鎖
はこの段階で起こるようです。
ファロー四徴症より早いので、この辺が肺動脈閉鎖兼心室中隔欠損とファロー四徴症の違いなんでしょうか?
ところで、この頃はまだ母体とは完全につながっていなくて、「卵黄嚢」と呼ばれる部分から、栄養をもらっていますね!
妊娠7週
この頃には、心拍が確認できる方も多いのではないでしょうか?
妊娠7週までに、赤ちゃんの小さな心臓では、肺動脈と大動脈が分離していきます。
これも、ねじれるような感じで分かれていくんですね〜不思議!
この過程がうまく行かないと
- ファロー四徴症
- 両大血管右室起始症
などが起こるようです。
※この頃も、主に卵黄嚢から栄養をもらっているので、心疾患の原因が母体にあるとは考えにくいんじゃないかな?と思います。
左心室には大動脈への入り口が形成され、弁の形成も行われます。
心臓は、生まれるときとほぼ同じ形に!
(右心室から出ているT字のが肺動脈。
左心室から出ている、ぐにゃ〜と大きく曲がっているものが、大動脈。
肺動脈と大動脈のくっついている部分が、動脈管です。)
ここから、心室中隔、心房中隔が形成され、2心室2心房へとなっていきます。
この過程がうまく行かないと
- 心室中隔欠損
- 心房中隔欠損
となってしまいます。
生まれる頃
お腹の中にいる間は、胎児循環と言って、生まれるときとは別の血液循環なので、「卵円孔」や「動脈管」は空いたままです。生まれたあと、肺で呼吸するようになると閉じるのですが、うまく閉じないで穴が残っていると、
- 卵円孔開存
- 動脈管開存
と診断されます。
そのままだと、心不全の危険があることがありますが
生まれつき心疾患がある場合は、閉じずに残っていることで、命綱のように命をつなぎとめてくれていることがあります。
まとめ
「心拍確認おめでとう!」なんて言われて、ウキウキしていたその頃、すでに息子の心臓には肺動脈はなかったんですね(@_@;)
それでも、お腹の中でしっかり育って、元気に生まれて、すくすく大きくなって、手術頑張って、って本当にすごいことです。
人間の妊娠率は20%。
胎嚢確認後の流産は15%
などと言われていますが、心臓をうまく作ることのできなかった多くの赤ちゃんがお空に帰って行く中で、心奇形を持ちながらも生まれてくることのできる赤ちゃんは、本当に奇跡ですねヾ(。>﹏<。)ノ゙✧*。