先天性心疾患(心室中隔欠損を伴った肺動脈閉鎖症)で生まれ、生後10ヶ月で、根治術(ラステリ手術)をし、術後房室ブロックとなりながらも、なんとか回復し退院したKENさんの約1ヶ月をまとめてみました。
これから、手術を控えたお友達の参考になれば、と思います。
術前入院中と手術当日
前日は14時に外来へ。体重、身長を測り、海エリアで問診をし、入院の手続きをして、西3病棟(循環器病棟)へ。
体重7.8キロ
夜の離乳食に間に合わなかったため、この日は夕食なし。ミルクを多めにもらう。
夜、初めて会う主治医の先生とお話。
21時までかかり、その後KENを寝かせて帰る。
手術当日。8時すぎに病棟へ。
8時半には先生と看護師さんが来て、眠る薬を飲ませ、4階の手術室へ。
術中に、事前の検査ではわからなかった細かい心室中隔欠損がいくつも見つかり、急きょサンドイッチ法で閉じることに。
それにより、心停止の時間が予定より30分以上伸びて、安全に心臓を停止していられる最大時間ギリギリの118分。
術後、心房から心室への電気信号がうまく伝わらない「房室ブロック」となり、外部ペースメーカーをつけて様子を見ることに。
術後房室ブロックとCCU生活
術後1日目
貧血のため、輸血。
強心剤、鎮静剤、痛み止め、ヘパリンなど、たくさんの点滴がついている。
ペースメーカーの電極の先が、横隔膜の神経の何処かに当たってしまっているらしく、ずーっと横隔膜が動いてしゃっくり状態。筋弛緩剤を使用。
自発呼吸や痰吸引で嫌がる様子あり。
術後2日目
筋弛緩剤をやめるも、しゃっくりは出ず。
鎮静剤を下げ、少しずつ起こしていく。
術後3日目
夜、人工呼吸器を抜管。
術後4日目
ミルクを口から飲む。
夕方より、離乳食開始。
術後5日目
強心剤を抜いてもらう。
ドレーンも、持ち運びできるパックになる。
術後6日目
おすわりをして、おもちゃであそぶ。
回診の先生たちに囲まれて泣く。
術後7日目
朝、脈が繋がったことが確認される。
順調に行けば、ペースメーカーなしで、帰れそう(。>﹏<。)
術後8日目
笑顔もいっぱい見られるようになり、看護師さんにデレデレする。
術後9日目
点滴がヘパリンのみに。
内服(ワーファリン、フロセミド、アスピリン)。
西3病棟(循環器病棟)へ
https://upacoto.com/ccu-1/
ペースメーカーと循環器病棟生活
術後10日目
ヘパリン(点滴)を抜くために、血液検査をしながら、ワーファリンの量を調節していく。
ペースメーカーは2週間バックアップでつけながら、様子見→検査をしてOKなら、外して帰れる。
体重7.5キロ。
点滴とペースメーカーが外れないように注意しながら、プレイルームで遊ぶ。
ファシリティドッグのヨギが応援に来てくれる。
術後18日目
血液検査でPT-INRの値が、基準値に達したので、ヘパリンを抜いてもらう。
点滴がなくなり、遊ぶのも身軽に☆
体重7.2キロ。
術後20日目
ペースメーカーの機械を外してもらい、ワイヤーのみに。
24時間ホルター心電図をつける。
術後21日目
ホルター心電図検査に合格。
ワイヤーも外してもらう。
術後23日目
心電図、レントゲン、シンチ検査
術後24日目
レントゲン検査
術後25日目
レントゲン、心エコー検査
先生と話をして、夜退院☆
最後に
手術〜入院の期間は手術前は2週間程度と言われていました。
結局1ヶ月弱入院していたのですが、入院が伸びたのは「房室ブロック」のため。奇跡的に1週間で脈がつながり、2週間バックアップでペースメーカーをつけて過ごし、慎重な検査を重ねて、術後25日目に無事退院となりました。
退院時に服用していた薬は、ワーファリン、アスピリン、フロセミド。
ワーファリン、アスピリンは、肺動脈(右室流出路)の部分にコンテグラ(馬の頸動脈)を使用したため、血管が詰まるのを予防するために血液の凝固作用を調節する薬です。
フロセミド(利尿剤)は、手術の影響で心臓がまだむくんでいるので、心臓のむくみを取るためのお薬です。
術前飲んでいたチクロピジン(パナルジン)というお薬は、人工血管を使う限り、一生飲み続けると言われていたのですが、ワーファリン&アスピリンならば3ヶ月〜6ヶ月の服用でいいそうです。
手術中にわかった多発性心室中隔欠損は、すべての穴を閉じることができたわけではなく、目では確認しづらい細かい穴がまだ数か所残っているということで、いまだ心不全の危険はあります。自然に閉じてくれることを願うばかりです!
何はともあれ、無事に退院できてよかった(*´∀`)
手術に関わってくれた先生、術後様子を見てくれた先生、看護師さん、保育士さん、事務のお姉さん、病棟で一緒に遊んでくれたお友達など、皆さんに感謝です(*˘︶˘*).。.:*♡
そして、これから心臓の手術をするお友達の手術がうまく行きますように☆